ビジネス年賀状を送りたいけど、どんな点に気を付けて作成したらいいのかな?書き方やマナーや例文が知りたいなと悩んでいませんか?今回はビジネス年賀状の書き方や気を付けるマナー9選の解説やシーン別の例文を紹介しています。
この記事は以下のような人におすすめ!
- ビジネス年賀状の書き方を知りたい人
- ビジネス年賀状のマナーを知りたい人
- ビジネス年賀状の例文を知りたい人
ビジネス年賀状は昨年1年間のお世話になった感謝の気持ちと新しい1年を「よろしくお願いいたします」と伝えるものです。社内の人や取引先やお客様との関係性を築くためにコミュニケーションの一つとしてビジネスでも活用されています。
今回の記事でビジネス年賀状の書き方を確認していただき、相手の印象に残る年賀状を作成してください。
それでは、どうぞ。
ビジネス年賀状の書き方
ビジネス年賀状は、「今年1年もどうぞよろしくお願いいたします」とこれからの1年の関係を良いものにするために挨拶をするためのものです。その挨拶の効果をしっかり発揮させるために、ビジネス年賀状の書き方について解説をします。
年賀状の構成
ビジネス年賀状は下記の基本構成で書くのが一般的です。
上記を参考に年賀状を作成しましょう。
一言手書きのメッセージを書くと好印象
印刷した文字だけだと、印象に残りにくい年賀状になりがちです。相手の印象に残すためには、一言手書きのメッセージを書くと効果的でしょう。
書き添える内容は、感謝の気持ちや今年の目標を書くことをおすすめします。相手のことを考えたメッセージを記しましょう。
宛名面の書き方
年賀状をいざ書こうとするときに、相手先の住所や差出人の住所の書き方でどのようにかけばよいか悩んでしまいます。年賀状の表面の書き方について解説をします。
取引先住所
郵便番号は1,2,3,4などの算用数字で記入します。
住所は都道府県を省略せずにすべて記入するのがマナーです。住所が長くて改行をする場合には、番地ではなく建物名で改行するようにするとバランスがよくなります。
住所の番地などの数字は漢数字(一,二,三)で記入します。
取引先の会社名・部署名
会社名は住所と同じ高さ、もしくは1文字空けて書き、長い場合も改行はせず1行で収めるようにします。社名に株式会社などがつく場合も、(株)のように省略はマナー違反です。
部署名は、会社名の下に1文字分空けて書き始めます。長くなる場合は、部署名で改行して書いてもよいです。
取引先の役職・氏名
役職と氏名は、ハガキの中央部分に書きます。役職名は氏名より一回り小さな文字で氏名の上に書き、氏名は大きな文字で書きましょう。
個人宛の場合は「様」、部署宛に送る場合は「御中」と適切な敬称を選びます。
差出人の住所・氏名
差出人の住所や氏名は、左下に小さめの文字で記載します。必要に応じて電話番号やFAX番号、メールアドレスなどを書いても良いでしょう。
裏面に差出人を記載する場合は、表面(宛名面)には記載をしなくてもよいです。
新年の挨拶をメールで行うときの方法や注意点
新年の挨拶をメールで行う時の注意点やマナー、書き方や具体的な例文について知りたい場合は、こちらの記事「新年の挨拶メールの書き方|いつまで?喪中時の書き方も」にくわしく解説をしていますので、ぜひこちらもお読みください。
ビジネス年賀状のマナー9選
ビジネス年賀状は身内や友達に送るときとは違ったマナーがあります。ビジネス年賀状のマナー9選を解説します。
企業名は省略をしない
企業名は省略せずに「株式会社」も含め正しく記載しましょう。
株式会社を(株)や有限会社を(有)など省略することは失礼にあたります。住所の県名などもですが、省略をすると相手の方から疎かにしている印象を持たれてしまいます。ビジネス文書では省略しないようにしましょう。
敬称を正しく使う
ビジネス年賀状では敬称を正しく使うことに気を付けましょう。
人の名前には「様」を付けるのはもちろんですが、会社名には「御中」を付けるようにします。会社名の後に氏名を記載する場合は、会社名の後に「御中」は必要ありません。
部署名や役職名の間違いをしない
組織体制が変更になり、部署名や役職が変更になることはよくあることです。部署名や宛名の間違いは失礼にあたるので、事前に最新の部署名や役職名を確認してから投函するようにしましょう。
レイアウトは縦書きが基本
ビジネス年賀状は縦書きのレイアウトが基本です。
横書きはカジュアルな印象になるため、ビジネスでは縦書きで作成をします。
目上の人や取引先に2文字の賀詞は使わない
賀詞には「賀正」や「迎春」など2文字のものがありますが、省略された言葉のため目上人や取引先などのビジネス年賀状では使わないほうがよいでしょう。
賀詞は4文字以上の賀詞を使います。例えば、
これらの賀詞は、上司や恩師、取引先など目上の方に適した言葉です。たとえば、「謹賀新年」は「謹んで新年をお祝いいたします」という意味で、どんな相手に使っても失礼にあたりません。
賀詞の重複使いに気を付ける
賀詞の使い方で注意したいのは「謹賀新年」と印刷をしているのに、「あけましておめでとうございます」と手書きで書いてしまうことです。「あけましておめでとうございます」も賀詞のため、重複しています。
干支のデザインと一緒に「謹賀新年」などの賀詞を組み込んでいる場合が多いので、つい重複して使ってしまいます。気を付けましょう。
句読点を使わない
年賀状には句読点は使いません。
句読点は文章の区切りをつけるために使われるため、縁起が悪いとされているからです。
文章の読みやすさを考えるのであれば、句読点を打つ位置で文章の間隔をあけ、読みやすくする工夫をしましょう。
忌み言葉を避ける
忌み言葉とは「終わる」「切る」「失う」「去る」など縁起が悪いとされている言葉です。例えば「去年」は「旧年」などに置き換えて書くようにしましょう。
元旦に届くように投函する
ビジネス年賀状を個人宅宛てに送る場合は必ず元旦に届くように投函をします。
企業宛てに送る場合は仕事始めの日までには年賀状が届いているようにしましょう。年賀状の受付は12月の半ばから受付をしています。早めに投函すると安心です。
元旦までに届けるには遅くとも12月25日までには投函するようにしましょう。
ビジネス年賀状に使える一言
印刷した年賀状に手書きで一言添え書きするだけで、送った相手のことを想って書いたことが伝わり、読むほうも嬉しい年賀状になります。年賀状に添える一言を紹介します。
幸せを願う一言
- 貴社にとって素晴らしい一年となりますように
- ○○様にとって充実した一年でありますように
- ○○様のますますのご活躍をお祈り申し上げます
- 幸多き一年になりますよう社員一同心よりお祈り申し上げます
健康を気遣う一言
- まだまだ寒さが続きますのでお体にはお気をつけください
- くれぐれもご自愛ください
- ○○様が健やかな毎日をお祈り申し上げております
- どうぞ健康にはくれぐれもご留意ください
- ご健勝を心よりお祈り申し上げます
ビジネス年賀状で使える一言【取引先・お客様】
- 本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願い致します
- 本年もお力添えをよろしくお願いいたします
- 貴社のますますのご発展を祈念させていただきます
- 本年も変らぬご愛顧のほど心よりお願い申し上げます
- 社員一同さらなる努力をもって ○○様のお役に立てるよう頑張る所存です
- 本年も○○様のお役に立てるよう 一層の努力をもってご厚情にお応えしてまいります
- 本年もなお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます
- 本年もサービスの向上に専念してまいりますので 今後ともご愛顧を賜りますようお願い申し上げます
- ○○様のご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます
ビジネス年賀状で使える一言【上司・先輩】
- 本年も変わらぬご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます
- 昨年は○○の件で大変お世話になりました
- 本年は○○を目標により一層精進してまいります
- 本年はこれまで以上に業務に邁進してまいります
- 1日も早く戦力になれるよう努力いたしますのでご指導のほどお願いいたします
ビジネス年賀状で使える一言【部下・後輩】
- ○○さんのさらなる活躍を期待しています
- 念願だった○○の達成おめでとう
- 本年も戦力として活躍されることを期待しています
- 粘り強く真摯に仕事に取り組む姿勢に感心しています
- 昨年のプロジェクト成功を一緒に分かち合えたこと嬉しく思います
退職を伝える一言
年明けに退職する場合に、対面でのご挨拶ができず年賀状で退職をお伝えする例文を紹介します。
上司・先輩へ
このたび○月○日付で退職させていただくことになりました
在職中は長らくご指導いただき大変ありがとうございました
同僚・後輩へ
本年○月○日付で退職することになりました
○○さんと一緒に切磋琢磨できたこと感謝しております
またどこかでお会いできることを願っております
ビジネス年賀状の挨拶例文
ビジネス年賀状に使える定型の例文をシーン別に紹介をします。ぜひ年賀状作成の参考にしてください。
上司へ
上司に送る年賀状は賀詞は4文字以上を使用します。日ごろの感謝の気持ちを書き記しましょう。
例文
謹賀新春
旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございました
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます
令和○○年一月一日
例文
恭賀新年
いつも親身なご指導 ありがとうございます
本年はさらなる飛躍の年となるように努めてまいります
これからも指導ご叱咤をお願い申し上げます
令和○○年一月一日
例文
謹賀新年
昨年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
なにとぞ本年もよろしくご愛顧のほどお願い申し上げます
令和○○年一月一日
例文
謹賀新年
旧年中はご指導ご鞭撻を賜り ありがとうございました
今年はさらなる飛躍の年となるよう 一層頑張っていきたいと思っております
どうぞよろしくお願い申し上げます
令和○○年一月一日
先輩へ
会社の先輩に年賀状を送るときは、指導の感謝や今年の目標や抱負を書き添えるとよいでしょう。
例文
謹賀新春
旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございました
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます
令和○○年一月一日
例文
新春来福
旧年中はご指導ご鞭撻を賜り ありがとうございました
今年はさらなる飛躍の年となるよう 一層頑張っていきたいと思っております
どうぞよろしくお願い申し上げます
令和○○年一月一日
例文
謹賀新春
いつも親身なご指導 ありがとうございます
本年はさらなる飛躍の年となるように努めてまいります
これからも指導ご叱咤をお願い申し上げます
令和○○年一月一日
同僚へ
職場の同僚や後輩に年賀状を送る場合は2文字の賀詞を使用しても構いません。上司や先輩よりもカジュアルな年賀状を送っても失礼にはあたらないでしょう。
例文
賀正
昨年は公私ともにお世話になりました
今年もともに仕事ができること楽しみにしています
また飲みにいきましょう
本年もどうぞよろしくお願いします
令和○○年一月一日
例文
あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
令和○○年一月一日
例文
あけましておめでとうございます
昨年はお力添えありがとうございます
本年もお互い切磋琢磨していきましょう
令和○○年一月一日
部下へ
部下に年賀状を送る場合には、部下の頑張りや成長についてコメントを交えて挨拶をするとよいでしょう。
例文
あけましておめでとうございます
昨年はプロジェクトを成功させてくれて感謝しています
○○さんの成長ぶりは頼もしいかぎりです 本年もどうぞよろしくお願いします
令和○○年一月一日
例文
迎春
昨年は大変お世話になりました
〇〇さんの粘り強い仕事の取り組みにいつも感心しています
今年も目標を達成できるようともに頑張りましょう
令和○○年一月一日
例文
賀正
昨年は○○の業務の完遂ありがとうございました
体調に気をつけて今年もさらなる活躍を願っています
本年もよろしくお願いいたします
令和○○年一月一日
取引先(お客様)
取引先様やお客様への年賀状は4文字以上の賀詞を使用し、日ごろの感謝や今年もご愛顧いただけるような内容にします。
例文
謹んで新春のご祝詞を申し上げます
昨年中は格別のご厚情にあずかり、心より御礼申し上げます
御社のますますのご発展を祈念しますとともに 本年もなお一層のお引き立てを賜りますよう重ねてお願い申し上げます
令和○○年一月一日
例文
恭賀新年
旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり誠にありがとうございました
本年も一層のサービス向上を目指し社員一同誠心誠意努める覚悟でございます
なにとぞ本年も変わらぬご支援のほどお願い申し上げます
令和○○年一月一日
例文
敬頌新禧
旧年中は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございました
皆様のご健康とご繁栄を心からお祈り申し上げます
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
令和○○年一月一日
オフィス移転を年賀状で知らせる
年賀状でオフィスや店舗の移転をお知らせするときに気を付けたい点や例文を紹介します。
移転を知らせる年賀状の基本構成
年賀状で移転をお知らせするときは一般的に次のような構成です。
最初に新年のご挨拶を伝え、移転先の情報を記載します。年賀状は新年の挨拶ですので、移転の情報が前面に出過ぎないように注意をしましょう。
- 賀詞
- 日ごろのご愛顧のお礼
- 移転先住所
- 移転先電話番号
- 移転先での営業開始日
- 新住所での営業再開予定日
移転を知らせる年賀状の例文
例文
謹賀新年
旧年中はご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます
さて この度 弊社は〇月〇日より下記新住所に移転する運びとなりましたので 謹んでご案内申し上げます
新しい年を迎え 新たな環境でさらに心配りあるサービスを提供できるよう 従業員一同一層の努力をいたします
本年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます
令和○○年一月一日
移転先住所 ○○○○○○○○
移転先電話番号 ○○○-○○○-○○○
年賀状の返信で寒中見舞いを出すときの例文
年賀状は1月7日までは松の内と呼ばれ、年賀状を送っても失礼にならないとされています。会社の仕事始め後に年賀状に返信する場合、この「松の内」の期間に年賀状を送れないこともあります。そういったタイミングを逃した場合は、年賀状の代わりに「寒中見舞い」で返信すればよいのです。
寒中見舞いの例文を紹介します。
例文
寒中お見舞い申し上げます。
丁寧な年賀状をいただきまして、ありがとうございました。
ご挨拶がすっかり遅れてしまい、申し訳ございません。
お陰様で穏やかな新年を過ごしております。
寒さが厳しい折、風邪など召しませんようお身体にお気をつけてお過ごしください。
本年もよろしくお願い申し上げます。
令和○○年○月○日
ビジネス年賀状を廃止すべきか?
形式的に送っているビジネス年賀状を廃止してもよいか悩んでいる方のために廃止するメリットやデメリット、廃止をお知らせする例文を紹介します。
ビジネス年賀状を廃止するメリット
年賀状を廃止するメリットは次の3つです。
虚礼廃止
虚礼廃止とは、「中身が伴っていないにもかかわらず表面上で見せかけている、形骸化した儀礼」をやめることです。受け取る側も形式的なものであれば大きな意味を持ちません。お客様とや取引先との関係性を維持・向上させるのであれば相手にも喜んでもらえる別の方法を選択してもよいでしょう。
経費削減
紙の年賀状を送付するには
・作成する人件費
・年賀状のデザインや印刷代
・ハガキ代
などの経費が削減できます。現在はメールでのご挨拶もできるため紙の年賀状を廃止する会社もあります。
メールであれば、経費の削減ができ、瞬時に相手に送ることができます。メールに返信をいただき、そこから商談につなげることも可能です。
ペーパーレス化
紙の場合、保管や不要になったときの廃棄など管理が大変です。現在は帳簿も電子化するペーパーレス社会。テクノロジーを使った電子化の流れが年賀状にも来ています。
ビジネス年賀状を廃止するデメリット
年賀状を送ることで取引先様やお客様との関係性を維持・向上している場合、なくすことでデメリットとなってしまいます。
受け取った人が嬉しいと感じるような、心のこもった手書きの年賀状は続けてもよいでしょう。
ビジネス年賀状を廃止するお知らせ例文
ビジネス年賀状を廃止するお知らせの例文を紹介します。
会社からメールで送付
例文
件名:年賀状廃止のお知らせ ○○株式会社
本文
株式会社○○ 営業部
○○○○様
お世話になっております。
平素は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
この度○○株式会社では、令和○○年より、全てのお得意様に対し年賀状によるご挨拶を控えさせていただくこととなりました。
また、○○株式会社への年賀状によるお心遣いはご無用にてお願いしたく存じます。
なにとぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
(署名)
個人から年賀状でお知らせ
20~50代
例文
明けましておめでとうございます
デジタル時代になりましたため今年をもちましてどなた様にも年始のご挨拶を控えさせて頂く事に致しました
今後はお電話やメール等で連絡を取り合わせていただければ幸いです
皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします
令和○○年一月一日
定年を迎えるため
例文
謹んで新年のお祝いを申し上げます
還暦を迎えましたことを機に本年をもちましてどなた様にも年始のご挨拶を控えさせて頂く事に致しました
今後はメールにて、適宜ご挨拶、ご連絡をさせていただければと思います
令和○○年一月一日
まとめ
今回の記事は、ビジネス年賀状の書き方やマナーを解説し、シーン別の年賀状の例文も紹介をしました。
ビジネス年賀状は上司や同僚、取引先など送る相手に合わせて賀詞を使い分けたり、丁寧な文章やカジュアルな書き方をしたりすることで、相手に喜んでもらえる年賀状が作成できます。
すべてを印刷で済ませてしまうのではなく、一言手書きのメッセージを添え書きすると送った相手のことを想って書いていることが伝わり、受けとった人もあなたのことを気づかってくれる可能性が高まります。
また、現在はEメールで新年の挨拶を行う企業も増えてきていますので、紙の年賀状の廃止のお知らせ例文やメールでの新年の挨拶についても解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。